特別の支援を必要とする多様な子どもの理解

「医教連携」で読み解く発達支援

特別の支援を必要とする多様な子どもの理解

教職課程コアカリキュラム対応の特別支援教育テキスト。「医教連携」の視点を中心に,子どもを理解・支援するアプローチを探る。

著者 長崎大学子どもの心の医療・教育センター 監修
吉田 ゆり 編著
石川 衣紀
今村 明
岩永 竜一郎
浦川 心
鈴木 保巳
高橋 甲介
田中 悟郎
徳永 瑛子
友永 光幸
西村 大介
ジャンル 教育学 > 特別支援教育
出版年月日 2020/12/20
書店発売日 2020/12/07
ISBN 9784762831355
判型・ページ数 A5・260ページ
定価 2,420円(税込)
在庫 在庫あり
教職課程コアカリキュラム対応テキスト。教育学や心理学に福祉学・医学を加えた視点,特に「医教連携」の視点から,各障害の特性,支援・指導方法等を詳説。養育の問題やキャリア教育等,コアカリキュラム外の重要課題にも言及し,特別支援教育に必須の知識を網羅する。教育や子どもの支援に携わる人に最適の1冊。

【メディア紹介】
2021年7月26日付「日本教育新聞」におきまして,『特別の支援を必要とする多様な子どもの理解』(長崎大学子どもの心の医療・教育センター監修/吉田ゆり編著)をご紹介いただきました。評者は, 都筑 学 氏(中央大学教授)。
はしがき
このテキストのコンセプト


第1章 「医教連携」による障害支援及び特別支援教育 

1.多様な特別の支援を必要とする子どもの現状とその理解の基盤
(1)多様な子ども,多様な支援ニーズの理解と課題
(2)特別支援教育の対象と教育的支援ニーズ
(3)障害をどう考えるか
(4)障害のある子どもにどのようにアプローチするか:医教連携の考え方

2.特別の支援を必要とする子どもの医学理解と意義
(1)医学的理解の位置付けとその意義
(2)障害特性に関する医学の観点からの理解の特徴とその意義

3.特別の支援を必要とする子どもの心理学的理解と意義
(1)心理学的理解の位置付けとその意義
(2)障害特性に関する心理学の観点からの理解の特徴とその意義
(3)環境要因に関する心理学の観点からの理解の特徴とその意義
(4)まとめ

【コラム1】 「医教連携」のコンセプトによる発達障害支援:長崎大学子どもの心の医療・教育センターの取り組み


第2章 特別の支援を必要とする子どもの理解:障害特性を知ることは支援のあり方を知ること

1.自閉スペクトラム症(ASD)の子どもの発達
(1)ASDの特性
(2)ASDのある子どものアセスメント
(3)ASDのある子どもへの支援
(4)まとめ

2.注意欠如・多動症(ADHD)の子どもの発達
(1)ADHDとは
(2)ADHDのアセスメントと理解:「困難さ」と「強み」
(3)ADHDの学習面,生活面での支援
(4)まとめ:やる気スイッチをどのように入れるか

3.学習障害(LD)の子どもの発達
(1)LDの特性
(2)LDのある子どものアセスメント
(3)LDのある子どもへの介入

4.知的障害のある子どもの障害特性と支援
(1)知的障害とは
(2)知的障害の状態像に応じた支援・配慮の視点

5.病弱等のある子どもの障害特性と支援
(1)病弱および身体虚弱とは
(2)病弱等の状態像に応じた支援・配慮の視点

6.肢体不自由のある子どもの障害特性と支援
(1)肢体不自由とは
(2)肢体不自由の状態像と支援・配慮の視点

7.視覚障害のある子どもの障害特性と支援
(1)視覚障害とは
(2)視覚障害の状態像に応じた支援・配慮の視点

8.聴覚障害のある子どもの障害特性と支援
(1)聴覚障害とは
(2)聴覚障害の子どもの支援・配慮の視点


第3章 子どもの多様性の理解と支援:様々な教育的ニーズ

1.不適切な養育(マルトリートメント)と教育
(1)アタッチメント
(2)不適切な養育(マルトリートメント)
(3)アタッチメントの障害

2.子どもの貧困の現状
(1)我が国の貧困の現状
(2)子どもの貧困と発達・発育への影響

3.学校とケアリング


第4章 インクルーシブ教育システムの展開と制度

1.「インクルーシブ教育システム」の内容と課題
(1)障害者権利条約等に見る「インクルーシブ教育システム」の理念
(2)中央教育審議会「報告」における「インクルーシブ教育」の理念
(3)日本における「インクルーシブ教育システム」の構築内容
(4)スウェーデンにおける「ASD児特別学校」

2.特別支援教育におけるカリキュラム・マネジメント
(1)「社会に開かれた教育課程」の実現に向けて
(2)カリキュラム・マネジメントの内容
(3)カリキュラム・マネジメントと特別支援教育

3.特別支援教育と自立活動
(1)教育課程における自立活動の意義と役割
(2)自立活動と教育課程

4.個別の教育支援計画の作成と活用
(1)個別の教育支援計画を作成する意義
(2)乳幼児期から学校卒業後までの一貫した支援
(3)関係機関と連携した教育的支援
(4)個別の教育支援計画の作成手順


第5章 特別の支援を必要とする子どもの教育課程と支援の実際

1.特別支援学校の教育と支援
(1)特別支援学校の特徴とその対象について
(2)特別支援学校における教育課程の実際
(3)特別支援学校における教育と支援に必要な視点
(4)特別支援学校における交流及び共同学習

2.特別支援学級の教育と支援
(1)特別支援学級の特徴とその対象について
(2)特別支援学級における教育課程の実際
(3)特別支援学級における教育と支援に必要な視点
  1)多面的な実態把握に基づく指導の検討
  2)自立を見通した支援機器等の活用
(4)特別支援学級における交流及び共同学習

【コラム2】特別支援教育における情報通信技術(ICT)の活用

3.通常学級における教育と支援
(1)通常学級における支援
(2)ユニバーサルデザインの学びへの展開
(3)教育のユニバーサルデザイン
(4)教育のユニバーサルデザインの諸相
(5)クラスワイド支援・スクールワイド支援
(6)教室における発達障害のある子どもへの支援
(7)学級づくり

4.通級による指導を活用した教育と支援
(1)通級による指導とは
(2)通級による指導の内容
(3)通級による指導の実際

【コラム3】“外付けの通級指導教室”:長崎大学教育学部支援ラボの取り組み


第6章 生涯にわたる教育と支援

1.キャリア発達とキャリア教育・職業教育
(1)キャリア発達:生涯発達を見すえた学びの蓄積
(2)キャリア教育:就労に向けたキャリア発達支援
(3)地域や関係機関との密接な連携

【コラム4】大学と連携した就労支援の取り組み:長崎大学附属特別支援学校キャリアチャレンジプロジェクト(FCCP)

2.発達障害者および精神障害者の生涯学習の推進
(1)障害者の生涯学習を推進するための方策
(2)発達障害者および精神障害者の生涯学習活動の実際

【コラム5】障害者の生涯学習の推進:誰もが共に学べる場の創造


第7章 保護者の支援

1.保護者支援を始める前に
(1)先行研究よりわかる,発達障害等をもつ子どもの保護者の心理社会的状況
(2)支援者の基本的姿勢
(3)保護者の障害受容

2.保護者支援の具体的手段
(1)ペアレント・プログラム
(2)ペアレント・トレーニング


第8章 特別支援教育を支える連携

1.連携:子どもを支援するための学校の仕組みづくり
(1)「有機的な連携」とは
(2)地域の実情を把握する

2.特別支援教育コーディネーター
(1)特別支援教育コーディネーターの役割
(2)特別支援教育コーディネーターの動きの実例(巡回相談の場合)

3.家庭と学校との連携
(1)家庭と学校の相互理解
(2)保護者と連携をとるためには

4.家庭と医療との連携,学校と医療との連携
(1)家庭と医療との連携
(2)学校と医療との連携

5.福祉との連携
(1)福祉行政のサービスと支援
(2)福祉施設との連携


引用・参考文献
索引

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