『都市の防犯―工学・心理学からのアプローチ』書評


●月刊 安心な街に 2003.10 都市の防犯―工学・心理学からのアプローチ

図書案内

 多発する侵入犯罪や街頭犯罪の分析・予防に関する研究成果をまとめた学術書「都市の防犯 工学・心理学からのアプローチ」が,北大路書房から出版された。小出治・東京大学大学院工学系研究科教授▽樋村恭一・同研究員▽須谷修治・元日本防犯設備協会防犯照明委員会委員長ら執筆陣十七名による共著。手口が凶悪化し,加害者が低年齢化する犯罪の実態を「都市」や「地域」「まち」という観点から捉えたもので,犯罪に対する安全性を欠いたまま形成された都市構造には工学的な防犯機能を備える必要があり,防犯に対する心理学的アプローチが重要である−との見地に立っている。
 「本書を手にした読者は防犯の新しい考え方を総合的につかむことができる。警察関係者はもちろん,建設や都市計画を担当する行政やコンサルタント,防犯を学ぼうとする学生に必携の本」とは伊藤滋東京大学名誉教授の評。
 A5判,二七四頁,定価三三六〇円。問い合わせは北大路書房рO75−431−03641へ。

●産経新聞 書籍欄 2003.11.2 都市の防犯―
工学・心理学からのアプローチ

 日ごと低年齢化し,凶悪化する都市の侵入犯罪や街頭犯罪をどう分析し,いかに予防するか−。それらの問題点を都市,地域,街といった観点から分析し,とらえなおした研究報告書。


●セキュリティ産業新聞社 2003.10.10 都市の防犯―工学・心理学からのアプローチ

 治安回復を目的とした安全安心まちづくりの基本コンセプト・防犯環境設計の現代版バイブルとも言える本である。内容は犯罪を「科学的」に「分析」して「予防」するという3部構成。科学技術を駆使したハード面(都市計画や建築部門,設備系の工学分野)からの防犯技術と犯罪心理学や社会心理学等ソフト面の双方から,現代の都市犯罪を分析,併せて治安回復に取り組む日本の現状も紹介している。
 犯罪発生の要因を犯罪者個人に特定する,いわば犯罪者性悪説を改める形で防犯環境設計の考え方が取り入れられてきたわけだが,ややもすればハード面のみに偏りがちな傾向を心理学分野を取り入れたことで,犯罪環境設計のより正しい手法が理解できる。官学17人の執筆陣はいずれも日本の防犯分野最前線で活躍している人々である。