『目撃証言の研究』書評


●出版ニュース 2001年8月/下 地方出版

 事件解決の決め手となるものに目撃証言があるが,その一方,冤罪事件が起こるたびに絶えず信憑性が問題とされるのも,この目撃証言である。それは,目撃証言が複雑な心理的機能の産物で,それを証拠として正確に評価するのが難しいからである。
 そこで,本書では心理学と法律学という2つの立場からアプローチして目撃証言について論じている。例えば,目撃証言の信頼性に関わる要因は何か,あるいは人間の記憶のシステムはどんなものか。また,既有知識が目撃証言に影響を与えるのであれば,その影響を排除して目撃証言を記録するにはどのようなルールを持つべきで,実際の面割作業はどのような手順で行うべきかなどで,警察官や検事,裁判官といった関係者には必読の1冊といえる。