『犯罪者プロファイリング』書評


●東京新聞夕刊2000年3月23日「今週の本棚」各地の出版情報

 犯罪捜査で犯人像の推定の切り札となる「プロファイリング」。英国では単なる「犯人像の推定」とは考えず,「犯罪事情を行動科学の知見を用いて捜査支援に利用する技術」と捉える。その全容を紹介。監訳者は科学警察研究所防犯少年部長。

●週刊金曜日2000年4月14日 きんようぶんか「本」推薦

科学捜査のプロが伝える真実
 英国流のプロファイリングの本を,日本の捜査心理学の現場(科警研・科捜研)で働く実務家が翻訳した。プロファイリングというと,映画『羊たちの沈黙』や書籍『FBI心理分析官』(早川書房)物のイメージが強く,おどろおどろしい犯罪を快刀乱麻に心理分析官が切るという感じだ。しかしそれはデフォルメされたアメリカのFBI流であって,本書のプロファイリングは単なる「犯人像の推定」ではない。よりクールなものである。つまり,犯罪の統計的解釈を主とした科学的な犯罪分析である。
 巻末にある監訳者の解説から読み進めば,プロファイリングの現状が理解できる。さらに,聞き込みの無効化をはじめとした「捜査力の低下」が叫ばれる昨今,二一世紀の犯罪捜査には犯罪情報の戦略的活用が必要であり,プロファイリングを含む行動科学的知見の利用と,現場での捜査支援情報処理ツールが導入される必要がある。さもなければ未来の犯罪捜査は破綻するであろう。そうした二一世紀の犯罪捜査をイメージさせてくれる本である。

●Weeklyぴあ2000年4月17日 This Week Book「本」 社会科学
 新刊(3.17発売)

 犯罪捜査支援の切り札となるプロファイリング。日本と犯罪事情が似ているイギリスのその全容を紹介。犯罪のハイテク化,凶悪化が進む中,科学的かつ戦略的な捜査を進めようとするプロファイリングの真の姿がここに。

●出版ニュース2000年5月中・下旬号 「地方出版」

 プロファイリングとは,犯罪情報を行動科学の知見を用いて分析し,そこから犯人像を推定しようとする犯罪捜査支援の技術のことで,本書は英国流プロファイリングの概要である。
 著者らは精神科医や心理学者,ロンドン警察庁の刑事たちで,「犯罪情報の捜査への戦略的活用を積極的にすすめなければ,21世紀の犯罪捜査は破綻する」という共通の認識にたって,プロファイリングの定義や歴史といった基礎知識から心理学からみた犯罪行動の解釈の仕方,地理的プロファイリングや統計的プロファイリングの手法によって犯人の特徴を統計的に推定する方法,さらには目撃者の供述と前者歴リストを比較しながら犯人を割り出していく実践的な手法が具体的,かつ詳細に述べられている。

●実業界2000年5月号 No.855 「NEW BOOKS」

 日本警察の捜査力が低下したといわれ初めて久しい。京都小学生殺人事件や新潟女性監禁事件などで速やかに犯人を検挙できなかった警察の失態は記憶に新しい。
 そこで,犯罪捜査支援の切り札として注目されているのが,“プロファイリング”だ。本書は,日本の科警研・科捜研の精鋭メンバーが我が国の犯罪事情に似ている英国流プロファイリングの全容を紹介。プロファイリングを「犯人像の特定」「犯罪情報を行動科学の知見を用いて捜査支援に利用する技術」と捉えている。犯罪情報の捜査への戦略的活用を進めなければ二十一世紀の犯罪捜査は破綻する,というメッセージをどう受け止めるか…。