『小児心身医学ガイドブック』書評


●日本教育新聞 平成11年10月08日 BOOK REBIEW COLUMNS

 心に問題をもつ子どもが増えている現在,学校現場はもちろん,日常的に子どもに接する職場では専門的な知識が必要となってくる。しかし,保健・医療・教育の現場で,十分な対応がなされているとはいいがたい。
 本書は子どもの心身症理解と対応のしかたのポイントを,具体的に示したもの。執筆者は小児科学,精神医学,臨床心理学の専門家。異なる領域の専門家が連携した成果でもある。
 「基礎編」と「臨床編」の二部構成。「基礎編」では子どもの心の発達,子どもの心に影響を及ぼす要因,心身医学的対応の基礎など,子どもの心身症や問題行動を理解するための内容となっている。
 後半の「臨床編」では,「睡眠障害」「空気嚥下症」「チック」「過喚起症候群」など各疾病ごとに,症状を解説。
 特に,治療・援助法を具体的・系統的に記述するとともに「治療介入の意図」「その導入の理論的背景」「注意すべき点」などを,症例の経過に対応させつつ,分かりやすく編集している。
 例えば,「摂食障害」の項では@摂食障害とはA摂食障害にみる症状B身体所見と鑑別C発症に関する要因D治療(身体的治療,薬物療法,入院治療,心理的治療)E症例(家族状況,治療経過)−が記述され,中でも診断・治療経験が詳細に書かれている。
 スクールカウンセラーや養護教諭などを含む教育関係者の子ども理解に役立つ一冊。