『不思議現象』書評


●出版ニュース 1997年11月/下 ブックガイド

 子どもたちは,超能力や占い,UFOなどの現在の科学では説明のできない「不思議現象」や「超常現象」に関心をもっている。このようなことを信じることは夢があって楽しいことなのだが,近年のカルト集団がらみの犯罪を見ていると,不思議現象を信じる心は非合理な思考につながりやすく,精神的な歪みを生み出す危険な面があることも分かってきた。
 本書は,この負の部分に注目しながら,子どもたちがどんな不思議現象に関心をもっているのかということを,高校生の調査をもとに概観したり,子どもたちが「こっくりさん」などの魔術的思考を受け入れていく過程を分析し,心理学はその現実にどう応えるべきかが論じられている。また,不思議現象そのものの検証にも多くの頁をさき,血液型性格判断の非科学性を明らかにしたり,血液型で人間の属性を語ることが偏見の温床になりかねない点なども指摘している。