『不思議現象 なぜ信じるのか』書評


●出版ニュース 1995年6月/上 

 書名にある「不思議現象」とは,超常現象やオカルト現象と呼ばれるものを含めて現代の科学では説明できないような現象のことで,本書では人はなぜそれらを信じてしまうのか,ということを心理学の立場から考えようとしたものである。だから,不思議現象の真偽を問題にするものでもなければ,超常現象の解説書でもなく,どちらかと言えば心理学の解説書といった方が正確だと思われる。
 なぜなら,読者はUFOの目撃談から記憶のメカニズムを,占い師の会話術からはカウンセリングの技法を,また金縛り現象からは浅い眠りであるレム睡眠と深い眠りであるノンレム睡眠時の脳の働きを知ることができるからで,心理学の入門書としても最適。

●DO BOOK 1995年6月号 今月の新刊本 宗教/哲学

 新宗教,超能力,UFO,星占い…私たちを取り巻く不思議現象。信じる人間の心とは? 心の落とし穴を心理学者が解く。

●日本教育新聞 1996年12月14日 地方出版情報

 松本サリン事件以来,カルト,マインド・コントロール,イメージ・トレーニング,サブリミナルなどのカタカナ文字が一般化した。さらに子どものいじめ・自殺の多発からカウンセリングなど心理学への関心が高まった。
 本書は,UFOや占い,性格検査,新宗教,オカルト,子どもの夢などを題材にして,それらを信じる心の働きを心理学の立場から分析している。不思議現象の真偽を問うのではなく,不思議現象を盲目的に信じる若者たちの態度や,逆に頭から否定して受けつけない頭の固い大人の態度を問題にしている。
 不思議現象が開く心理学への扉,予知体験の不思議,検査で「自分」が分かるか,占い・新宗教が現代に持つ意味,子どもから見た現実と想像の世界など,認知心理学や社会心理学の目で考察されており,心理学入門書ともいえる。親や教師にすすめたい。

●日本経済新聞 1995年5月7日 SUNDAY NIKKEI 時の本

秀才ひきこむ心理操作
論理のすき間突く仕掛け暴く

 「頭がよくてしっかりした人なのに……」。偏差値秀才は,霊感商法やカルト教団の勧誘に弱いらしい。知識をタップリ詰め込んだ頭脳が,子供だましの空中浮揚や予言をどうして簡単に信じるのか。
 「不思議現象 なぜ信じるのか」(菊池聡ほか編,北大路書房)は,その疑問に的確に答える。心霊写真,自己啓発セミナー,血液型占い,金縛りなど,具体例ごとに,不思議現象を信じたりハマッたりしてしまう心の動きを,最新の心理学で読み解いていく。そこから知識や論理のすき間を突いて,心をからめ捕る心理操作の仕掛けも見えてくる。
 UFOや霊視のような超常現象を持ち上げる本はよく売れるが,それを批判する本は売れないという。京大出身の若手心理学者グループが,インチキ霊媒師や超能力者の跋扈(ばっこ)に抗すべく筆をとったこの本は,京都の版元から世に出た。
 オカルトがお粗末なデッチ上げであることを,科学や論理でいくら説いても,神秘を求める人々は反発する。まず意識の虚を突き,次に人格を操り,最後は妄執に縛り付ける。こうしたマインドコントロールのからくりを暴く本の意味は大きい。

●ダ・ヴィンチ 1995年9月号

予言の仕組みを徹底解剖
 予言,予知夢,UFO,オカルトなどの不思議現象を,なぜ人間は信じてしまうのかを心理学の立場から解き明かした。教科書として作られたこともあって,不思議現象を入り口に,幅広い心理学の知見を学べる,最良の入門書。

●週刊読売 1995年6月4日号 Book Review ホンの立ち読み

 深層心理占いやチャネリングなど不思議現象を人びとが信じるとき――その心の働きはどうなっているのか。不思議現象の真偽を問うのではなく,信じる心を心理学と関連づけて考察する。コラムで不思議現象事実例を32点。

●BIG tomorrow No.184 1995年10月号 BOOK

 幽霊や超能力を信じる若者が急増している。確かに科学では解明できないコトもある。だが,なぜ人は“信じる”のだろうか? フシギを心理学の立場から分析すると…。意外な盲点が見えてくる1冊。