記憶心理学と臨床心理学のコラボレーション
もくじ

まえがき

第1部 総論:記憶心理学と臨床心理学,これまでとこれから
1章 記憶心理学の基礎概念と現状
 1節 エビングハウスからアトキンソンとシフリンへ
 2節 短期記憶
 3節 リハーサル
 4節 長期記憶
 5節 画像記憶
 6節 意味記憶とエピソード記憶
 7節 ワーキングメモリ
 8節 プライミング
 9節 メタ記憶
 10節 記憶過程の制御
 11節 自伝的記憶
 12節 記憶研究の現在と展望
2章 記憶心理学と臨床心理学の接点となる包括的モジュールについて
   ――心の劇場と注意のスポットライト
 1節 はじめに
 2節 臨床心理学における記憶の概念化
 3節 認知行動療法と人間性心理学における記憶
 4節 記憶心理学と心理療法を結ぶ意識と無意識のモジュール
 5節 まとめ

第2部 トラウマ体験と記憶
3章 虐待記憶とフォールスメモリ
 1節 フォールスメモリシンドロームと2つの論点
 2節 トラウマ記憶が抑圧されることはあり得るのか
 3節 体験しなかった性的虐待の記憶を植え付けることは可能か
4章 PTSDの生物学的病理モデル
 1節 PTSDとは
 2節 トラウマ記憶の特徴
 3節 PTSDの病態モデルとしての恐怖条件づけ
 4節 PTSD患者の心理学的刺激に対する反応性の高さ
 5節 PTSD患者における恐怖条件づけ研究
 6節 トラウマ体験時のストレス反応
 7節 ストレス反応と記憶
 8節 PTSD患者における脳の変化
 9節 PTSDの予防・治療研究
 10節 おわりに
5章 PTSDと認知プロセス
 1節 PTSDの分類と心理的症状・発症メカニズム
 2節 PTSDにおける条件づけプロセス
 3節 PTSDにおける認知プロセス
 4節 侵入想起を中心としたPTSDの認知プロセスモデル

第3部 抑うつと記憶
6章 抑うつの気分一致効果と自己関連づけバイアス
1節 はじめに
 2節 顕在記憶と潜在記憶
 3節 抑うつについての記憶研究の方法論
 4節 抑うつにおける記憶の機能不全
 5節 抑うつにみられる記憶の機能不全のメカニズム
 6節 今後の課題
7章 抑うつにおける記憶の病態
 1節 はじめに
 2節 抑うつ者の記憶バイアスと記憶機能障害
 3節 抑うつにおける記憶研究の実際
    ――過度に概括化された記憶
 4節 抑うつにおける記憶研究の今後の方向性
8章 抑うつの思考抑制,抑制意図,信念
 1節 はじめに
 2節 思考抑制とは
 3節 抑うつと思考抑制
 4節 抑うつ者はなぜ思考抑制に失敗するのか
 5節 今後の展望とまとめ
第9章 心理的時間と記憶
 1節 はじめに
 2節 心理的時間
 3節 時間評価と脳における時間の制御過程
 4節 時間と感情との関連
 5節 抑うつと時間の評価との関連
 6節 感情価と抑うつ
 7節 抑うつと感情価と時間
 8節 時間と記憶との関連
 9節 おわりに

第4部 臨床心理学とのコラボレーション
10章 統合的心理療法の立場から
    ――人間を全体としてとらえつつ,有効な視点で鮮やかに切り
      取るには
 1節 筆者の立場
 2節 心理療法のいくつかの学派における「記憶」「感情」
    「主体感覚」
 3節 心理療法全般にみられる記憶の再編
 4節 特殊な事例にみられる記憶とその再編
    ――トラウマ記憶を思い出さなかった例
 5節 今後の方向性――さらなるコラボレーションを求めて
11章 PTSDに対する心理療法
    ――幼児期,児童期,思春期,老年期の例から
 1節 はじめに
 2節 虐待やトラウマ体験の影響と治療的な対応
 3節 事例について
 4節 幼児期での事例
 5節 児童期での事例
 6節 障害児の事例――重症の広汎性発達障害
 7節 思春期の事例
 8節 老年期の事例
 9節 まとめ
12章 心理療法における記憶生成と変容の過程
    ――うつ病の事例から考える,記憶に苦しめられるメカニズムと
      治療的対応
 1節 はじめに
 2節 記憶に苦しむのはなぜか?
    ――感情のパラドックス,情動と意識トリガーのスパイラル
 3節 うつ病の苦悩と記憶
 4節 事例にみる急性期の記憶過程
 5節 おわりに


文献
人名索引
事項索引
おわりに――記憶心理学と臨床心理学の課題と展望