赤ちゃんポストと緊急下の女性
 未完の母子救済プロジェクト もくじ

はじめに


ステージT 赤ちゃんポストと出会う

 第一章 妊娠と出産、その光と影
      ――すべての母親が幸せに赤ちゃんを産むわけ
        ではない
  序――赤ちゃんの誕生
  性と妊娠
  予期せぬ妊娠
  祝福と葛藤
  年間二〇万件を超える人工妊娠中絶
  出生前診断と選択的妊娠中絶
  流産や死産の悲しみ
  不妊症と不妊治療
  総括

 第二章 赤ちゃんを捨てる女性たち
  序
  打ち明けられない妊娠
  出産前に追いつめられる妊婦たち
  妊婦健診未受診問題
   ――「飛び込み出産」の背景にあるもの
  産まれた直後に乳児を捨てる母親
  「捨て子」の歴史的地平
  コインロッカーベビー事件
  菊田昇と赤ちゃんあっせん事件
  児童遺棄・児童殺害は減少したが…
  児童遺棄と嬰児殺害の事例
  親子心中
  総括

 第三章 緊急下の女性と赤ちゃんポスト
  序
  緊急下の女性
  緊急下の女性のために設置された赤ちゃんポスト
  赤ちゃんポストの名称について
  匿名出産
  赤ちゃんポストの使用法
  母への手紙
  別れの瞬間
  預けられた赤ちゃんのその後
  赤ちゃんポストに赤ちゃんを預けたお母さんの手紙
  赤ちゃんポストが設置されている幼稚園の先生より
  総括


ステージU 赤ちゃんポストを議論する

 第四章 ドイツの赤ちゃんポストの歩み
  序 59
  ドイツ全土に九九カ所も
  預け入れられた赤ちゃんの数
  二つのプロジェクトと赤ちゃんポストの誕生
  妊娠葛藤相談論争の末に生まれた新たな道
  新たな母子救済プロジェクト
  愛と現代テクノロジーの融合システムとしての赤ちゃん
  ポスト
  赤ちゃんポストの運営資金について
  預けられた赤ちゃんを再び母親のもとへ、もしくは養子
  縁組へ
  生命保護の思想とその倫理的正当性
  ドイツ国内での波紋
  赤ちゃんポスト創設以後のメディアの反応
  総括

 第五章 ドイツ語圏の赤ちゃんポストの現実
  序
  赤ちゃんポストは誰が設置しているのか
  赤ちゃんポストはドイツのどこにあるのか
  スイスの赤ちゃんポスト
  オーストリアの赤ちゃんポスト
  赤ちゃんポスト設置者たちとの対話
  多くの人に支えられている赤ちゃんポスト
  赤ちゃんポスト設置者たちの広報活動
  総括

 第六章 赤ちゃんポストを必要とする女性たち
      ――緊急下の女性への視座
  序
  匿名性を求める女性たちと近代
  緊急下の女性の安全保障と届け出義務の重圧
  緊急下の女性研究に向けて
  愛着か、血縁か?
  日本の緊急下の女性支援における課題
  児童遺棄は本当に罪なのか
  緊急下の女性と社会の不平等
  総括

 第七章 赤ちゃんポスト批判を問う
  序
  あまりにも無責任すぎる?
  ドイツの赤ちゃんポスト廃止論
  子どもの生存権と親を知る権利の間の葛藤
  日本国内の赤ちゃんポスト論
  総括

ステージV 赤ちゃんポストから緊急下の女性へ

 第八章 赤ちゃんポストの歴史的地平
  序
  古代ギリシャ・ローマの孤児と捨児
  捨て子とキリスト教
  古代日本の捨て子救済と和気広虫
  中世の大理石の洗面台と捨て子場
  ターンテーブルの誕生とその時代
  捨て子と近代のヨーロッパ
  嬰児殺害の世紀
  近世日本の捨て子救済実践
  総括

 第九章 日本の赤ちゃんポスト
      ――「こうのとりのゆりかご」と蓮田太二
  序
  ドイツの赤ちゃんポストに先立つ日本の天使の宿
  こうのとりのゆりかご
  蓮田の生い立ちと熊本慈恵病院
  蓮田と緊急下の女性
  赤ちゃんポストへの道
  赤ちゃんポストと日本のメディア
  なぜ「赤ちゃんの窓」は「赤ちゃんポスト」と訳された
  のか
  医師としての蓮田
  キリスト教徒としての蓮田
  総括

 第十章 赤ちゃんポストと社会的養護
  序
  社会的養護とは何か
  社会的養護の担い手は誰か
  親業としての社会的養護と新たな方向性
  緊急下の女性のハードルとなる社会的養護の根本条件
  社会的養護から見た緊急下の女性
  社会的養護と赤ちゃんポスト
  赤ちゃんポストから社会的養護を問いなおす
  総括

 第十一章 赤ちゃんポストと教育学
  序
  シュテルニパルクの誕生――その歴史と思想
  シュテルニパルクの教育学――五つの教育理念
  捨て子プロジェクトとライラ・モイズィッヒ
  ヴォーラース・アルレー五八番地
  アウシュヴィッツ以後の教育
  赤ちゃんポストと教育学
  総括


 ダイアログ シュテルニパルクとの対話
 おわりに
 解説 柏木恭典君と赤ちゃんポスト――井出孫六
 初出一覧
 資料
 Inhaltsangabe und Danksagung:本書の概要と謝辞