〈当事者〉をめぐる社会学 調査での出会いを通して
 もくじ

はじめに(宮内 洋)  

第1章 共在者は当事者になりえるか?
     ――性風俗店の参与観察調査から(熊田陽子) 
 1節 はじめに
 2節 当事者とは何か―訴訟から研究行為まで
 3節 調査地での経験
 4節 共在者、同時代者から考える「おんなのこ」と私のあり方
 5節 共在者と当事者
 6節 おわりに


第2章 いかにして「性同一性障害としての生い立ち」を
    持つことになるのか
――実際のカウンセリングの録音・録画における「自分史をやる」
  活動に焦点を当てて(鶴田幸恵)
 1節 はじめに
 2節 性同一性障害の「当事者」とは誰か?
 3節 性同一性障害のカウンセリング
 4節 「自分史をやる」活動
 5節 おわりに

第3章 当事者へのかかわりと当事者としての「実践」を考える
――社会運動論・環境社会学の私的な経験から(西城戸 誠)
 1節 はじめに
 2節 当事者とのかかわりを考える
 3節 「当事者とは誰か」をめぐって
 4節 当事者に寄与するということ
 5節 当事者としての「実践」―実践的研究に向けて
 6節 まとめにかえて―再び、対抗的相補性


第4章 「当事者ではない」人間に何ができるのか?
――農業・農村研究における実践性と当事者性(松宮 朝)
 1節 農業・農村において「当事者ではない」ことの意味
 2節 農村へ
 3節 島根県石見町でのフィールドワーク
 4節 北海道道央大規模水田地帯でのフィールドワーク
 5節 「当事者」の声をどのように「加工」したのか?
 6節 農業・農村研究の「当事者」としてかかわり続けること


第5章 あなたも当事者である
――再帰的当事者論の方へ(樋口直人)
 1節 当事者論をめぐる違和感―問題の所在
 2節 当事者論をめぐる疑問
 3節 日常のフィールド化とフィールドの日常化
 4節 当事者と出会って当事者になる


第6章 「私」は「あなた」にわかってほしい
――「調査」と「承認」の間で(中根成寿)
 1節 フィールドワークにおける三人称の不可能性について
 2節 障害者家族の親の当事者性とニーズについて
 3節 「抵抗」から概念が生まれること―2つの手紙
 4節 「承認の欲望」に調査者はどう向き合うべきか?
 5節 親は本人になれず、調査者は当事者にはなれない、けれど…


第7章 底に触れている者たちは声を失い‐声を与える
――〈老い衰えゆくこと〉をめぐる残酷な結び目(天田城介)
 1節 〈当事者〉をめぐる社会学の構想
 2節 極限状況で耐え難きを耐え、忍び難きを忍ぶ
 3節 認知症を生きる人びとによる自らを守ろうとする営み
 4節 〈当事者〉と〈傍観者〉の隔たりにおいて


第8章 メディア表現は〈当事者〉の敵なのか(石田佐恵子)
 1節 マスメディアと〈当事者〉との関係
 2節 メディア表現への批判―ニュースの分析から
 3節 〈当事者〉がつくるメディア表現の可能性
 4節 世界への〈再接続〉と〈当事者〉性の回復


第9章 差別問題研究における2つの当事者性(好井裕明)
 1節 はじめに  163
 2節 被差別の立場にある人びとを当事者とすること
 3節 差別する可能性がある人びとを当事者とすること
 4節 差別問題の社会学は何を目指すべきなのか


第10章 〈当事者〉研究の新たなモデルの構築に向けて
――「環状島モデル」をもとに(宮内 洋)
 1節 はじめに―〈当事者〉研究における誤ったモデル
 2節 「環状島モデル」とは何か―〈内海〉を中心に
 3節 “海図”の喪失と再入手―〈内海〉からの脱出に向けて
 4節 「環状島モデル」における〈重力〉・〈風〉・〈水位〉
 5節 まとめにかえて―〈当事者〉研究における研究者の位置について

あとがき(好井裕明)