自伝的記憶の心理学 もくじ

まえがき

第T部 自伝的記憶研究の方法

1章 自伝的記憶研究の方法と収束的妥当性
 1節 はじめに
 2節 自伝的記憶とは何か
  1 自伝的記憶の定義
  2 出来事
 3節 自伝的記憶を探る手法
  1 自伝的記憶の想起方法
  2 出来事と記憶・想起経験の特性
  3 脳機能画像研究
 4節 研究デザインの多様性と収束的妥当性
  1 研究デザインの多様性
  2 収束的妥当性

2章 自伝的記憶研究における実験的方法とその問題点
 1節 はじめに
 2節 自伝的記憶を想起させる方法
 3節 自伝的記憶の内容を分析対象とする研究
  1 自伝的記憶の内容を分析対象とする研究とは
  2 自伝的記憶の内容を分析対象とする研究の例
  3 自伝的記憶の内容を分析対象とする研究の問
    題点
 4節 自伝的記憶の属性を分析対象とする研究
  1 自伝的記憶の属性を分析対象とする研究とは
  2 自伝的記憶の属性を分析対象とする研究の例
  3 自伝的記憶の属性を分析対象とする研究の問
    題点
 5節 自伝的記憶の反応時間などを分析対象とする
    研究
  1 自伝的記憶の反応時間などを分析対象とする
    研究とは
  2 自伝的記憶の反応時間などを分析対象とする
    研究の例
  3 自伝的記憶の反応時間などを分析対象とする
    研究の問題点
 6節 自伝的記憶実験における倫理の問題
  1 自伝的記憶の想起自体が与えるネガティブな
    効果
  2 自伝的記憶を操作する研究に関する問題
  3 自伝的記憶研究の倫理基準

3章 日誌法を用いた自伝的記憶研究
 1節 はじめに
 2節 日誌法とは
  1 現在の出来事と過去の出来事の記録
  2 日誌法研究の留意点
  3 日常的な出来事の構造化された記録
  4 日記を利用した研究
 3節 日誌再生法に基づく研究
  1 出来事の保持と忘却
  2 想起の手がかり
  3 自伝的記憶とパーソナリティ
 4節 不随意記憶日誌法に基づく研究
  1 不随意記憶とは
  2 不随意記憶の研究テーマ
 5節 日誌法による自伝的記憶研究の意義
  1 生態学的妥当性の高い自伝的記憶研究
  2 今後の日誌法研究の課題

4章 自伝的記憶の発達と縦断的研究
 1節 はじめに
 2節 縦断的研究の手法
 3節 自伝的記憶の発達―研究の動向
  1 乳幼児のエピソード記憶と自伝的記憶
  2 ナラティブの獲得と自伝的記憶
 4節 幼少期におけるエピソードの想起―縦断的調査
  1 調査1:主要な時期の特定
  2 調査2:経験時期による想起の違いの検討
 5節 展望

第U部 自伝的記憶の理論

5章 自伝的記憶の機能
 1節 はじめに
 2節 自伝的記憶の機能への接近―交わることのな
    かった2つの道
  1 回想の研究
  2 自伝的記憶の研究
  3 自伝的記憶研究と回想研究
 3節 自伝的記憶の3つの機能―自己,社会,方向
    づけ
  1 自己機能
  2 社会機能
  3 方向づけ機能
 4節 機能研究の課題
  1 意識的な利用と無意識的な利用
  2 いつ記憶に立ち返るのか
  3 構造と機能の適合性
  4 青年期以前の記憶

6章 ライフスパンを通じた自伝的記憶の分布
 1節 はじめに
 2節 自伝的記憶の分布の研究方法
 3節 自伝的記憶の分布の特徴
  1 新近性効果
  2 幼児期健忘
  3 レミニセンス・バンプ
 4節 自伝的記憶の分布と想起内容
  1 社会−発達的段階
  2 家族と対人関係
  3 想起内容と回想の機能
 5節 おわりに

7章 記憶システムの中の自伝的記憶
 1節 はじめに
 2節 自伝的記憶の記憶システムに対する位置づけ
  1 Tulvingの記憶論
  2 自伝的記憶の記憶システムに対する位置づけ
 3節 エピソディックな自伝的記憶―自伝想起の
    生成・再認
    モデル2008を中心に
  1 モデルが想定する基本条件
  2 自伝想起の生成・再認モデル2008の検証
  3 生成・再認モデルの拡張
  4 自伝想起の生成・再認モデル2008の評価
 4節 おわりに―記憶のシステム論の意義

8章 情動と自伝的記憶
 1節 はじめに
 2節 衝撃的な体験の記憶
  1 被爆のトラウマ記憶
  2 トラウマ記憶の特徴
 3節 特殊メカニズム説
 4節 非特殊メカニズム説
  1 Neisserの理論
  2 広島平和記念資料館の記憶
 5節 侵入想起と再符号化
 6節 衝撃的な体験の想起困難
  1 トラウマ記憶の抑圧
  2 トラウマ記憶の忘却
  3 想起を妨げるような符号化
 7節 衝撃的な体験の記憶の変容
  1 トラウマ記憶の変容
  2 偽りのトラウマ記憶
  3 なぜ偽りのトラウマ記憶が作られるのか

第V部 自伝的記憶と時間

9章 自伝的記憶の時間的体制化
 1節 はじめに
 2節 自伝的記憶の時間情報
  1 Friedmanによる時間情報処理プロセスの
    分類:位置,距離,相対順序
  2 幼児の時間概念の発達:幼児期健忘と自伝
    的記憶の発生
  3 時間情報の再構成における時間スキーマの
    役割
  4 ニュースイベントの時間情報の再構成
 3節 主観的時間と客観的時間の時隔感
  1 「もうそんなにたったのか」という感覚
  2 主観的時間が意識されるとき
 4節 今後の展望―自伝的記憶と時間的展望
  1 「現在の広がり」と自伝的記憶
  2 時間的展望の変化と自伝的記憶
 5節 おわりに

10章 自己と記憶と時間―自己の中に織り込まれるもの
 1節 はじめに
 2節 「自己」と自伝的記憶の関係―これまでの通説
 3節 構成される自己
  1 人は自覚的で合理的な思考者か
  2 現在に生きる私
  3 自伝的記憶と主体とのフレキシブルな関係
 4節 自己と時間

11章 時間的展望と自伝的記憶
 1節 はじめに
 2節 時間的展望は自伝的記憶とどう関わるか
  1 時間的展望とは何か
  2 自伝的記憶と時間的展望の関係
 3節 過去をくぐって未来が構想される
  1 過去と未来を立ち上げる現在の重要性
  2 過去をくぐらないと未来を構想できないのか
  3 現在・過去・未来の順にできあがるのか
 4節 過去・現在・未来のダイナミックな視点の移動
    と事実性の問題
  1 個別エピソードの活性化による「現在の広が
    り」のゆらぎと安定化
  2 事実性の問題はどう関わるか
 5節 今後の検討課題

第W部 自伝的記憶と語り

12章 転機の語り―転機の語りと生涯発達の実相
 1節 はじめに
 2節 「自己転機の語り」の発見
 3節 転機の語りがもつ意味
  1 自己の非連続性を認識させる自己転換の語り
  2 社会的に構築される成長
  3 主観的な成長が客観的な成長をもたらす
  4 転機の語りによって保たれる成長
 4節 力動的な安定としての成長
  1 循環関係にある現在の自己と転機の語り
  2 成長の浮力としての転機の語り
  3 転機の語りと生涯発達の実相
 5節 転機の語りの積み重ねと生涯発達

13章 高齢者における回想と自伝的記憶
 1節 はじめに
 2節 回想法と先行研究の問題点
 3節 回想の定義と分類
  1 自伝的記憶と回想
  2 ライフレヴューと一般的回想法
  3 回想のタイプ・機能
 4節 回想のモダリティと研究方法の問題
  1 回想の研究方法の違い
  2 回想のモダリティ
 5節 心理的適応を高める回想の語り
  1 個人回想法の内容分析の試み
  2 グループ回想法における語りの質的検討
 6節 語りたくない/語るべき回想
  1 自伝的記憶に伴う感情の割合
  2 回想法における聴き手の意義

14章 語りとその構造
 1節 はじめに
 2節 語りの構造という着眼点
 3節 生活史調査面接における高齢者の語りの構造
  1 分析対象とした語り
  2 抽出したカテゴリー
  3 抽出したカテゴリーの意義
 4節 臨床心理面接におけるクライエントの語りの構造
  1 分析対象とした語り
  2 抽出したカテゴリー
  3 抽出した語りの構造の意義
 5節 自伝的記憶研究における含意

15章 子どもの語りと感情表現
 1節 はじめに
 2節 感情表現の発達
  1 感情表現の開始
  2 感情表現の理解と認知発達
  3 社会的要因
  4 ジェンダー差と言語環境
 3節 感情を語ることの機能
  1 なぜ気持ちを語るのか
  2 ネガティブな出来事についての語り
 4節 リスクのある子どもによる感情の報告
  1 司法場面
  2 入院
  3 ハイリスクな環境

第X部 これからの自伝的記憶研究

16章 自伝的記憶研究の今後に向けて
 1節 はじめに
 2節 自伝的記憶研究に関する5つの問題提起
  1 想起できない記憶をどのように扱ったらよいか
  2 自伝的記憶における「自己」の概念をどのよう
    にとらえるか
  3 記憶の信憑性は問題にしなくてよいのか
  4 想起しても,言いたくない,あるいは言語化
    できない
    記憶をどのように扱うのか
  5 倫理的問題にどう配慮するのか
 3節 自伝的記憶研究の拡大と発展
  1 自己
  2 エピソード記憶
 4節 今後の自伝的記憶研究への2つの提案
  1 自伝的記憶研究と伝統的な実験室的記憶研究との
    相違点
  2 自伝的記憶の構造やメカニズムについての理論的
    検討
  3 自伝的記憶研究から心理学の再編成を

人名索引
事項索引