シリーズ21世紀の社会心理学3
 文化行動の社会心理学 もくじ

序章 文化行動の社会心理学
 1 はじめに
 2 こころと文化の研究史−社会心理学の場合
 3 こころと文化の相互関係
  (1)外部の文化と内部の文化
  (2)機能的な文化と偶発的な文化
  (3)進化ゲーム理論の導入とマイクロ=マクロリンク
  (4)進化と文化
 4 社会心理学における文化への3つのアプローチ
  (1)比較文化心理学
  (2)土着心理学アプローチ
  (3)社会・文化・歴史的アプローチ
 5 文化を考慮に入れた社会心理学研究の意義
  (1)応用的意義
  (2)人間の普遍性へのアプローチ

第1部 文化行動の心理学的基盤
1章 文化と記憶
 1 はじめに−記憶研究の視点から
 2 時間の流れと記憶
  (1)時間の3つの水準
  (2)3つの時間水準に対応した記憶
 3 個人の記憶の社会・文化的側面
  (1)記憶のゆがみとスキーマ
  (2)スクリプトの形成と社会・文化
 4 個人の記憶から社会の記憶へ
  (1)社会的事件とフラッシュバルブ記憶
  (2)個人想起と協同想起
 5 知識の伝達と技能の継承
  (1)記憶術の文化史
  (2)文字に頼らない知識の継承
  (3)技能・技術の次世代への継承
 6 文化の継承と人間の記憶の今後

2章 考え方,感じ方の文化心理学
   −認知・感情の文化依存性−
 1 はじめに
 2 理論的枠組み
  (1)自己観
  (2)コミュニケーション様式
  (3)認知
  (4)感情
 3 認知における文化的差異
  (1)言語情報と語調情報の相対的優位性
  (2)対応バイアス
  (3)分析的知覚と包括的知覚
 4 感情における文化的差異
  (1)幸福感の文化多様性
  (2)情緒的サポートの理解と文化
 5 まとめ

3章 文化と動機づけ
 1 達成動機概念の文化差
  (1)個人−社会志向達成動機づけ
  (2)最近のわが国における達成動機概念
 2 原因帰属の文化的特徴
  (1)達成動機づけの原因帰属理論
  (2)原因帰属のしやすさと文化
  (3)原因帰属のしかたの相違
  (4)努力と能力の文化差
 3 自己評価と文化
  (1)文化の次元と自己効力
  (2)文化による自尊感情の違いと動機づけ
 4 自己決定における文化差
  (1)外発的動機づけ対内発的動機づけ
  (2)選択と文化差

4章 文化と集団
 1 個人主義と集団主義の研究史
 2 定義
 3 個人主義と集団主義の帰結
  (1)集団選択・集団行動の自由性・自発性
  (2)コミュニケーションスタイル
  (3)利益の葛藤場面での解決法
  (4)動機づけ
 4 個人主義と集団主義の文化差は幻だった?
 5 集団間比較志向と集団内関係志向
  (1)北米人の集団間比較志向
  (2)東アジアの集団内関係志向
  (3)実証データ
  (4)社会構造と集団行動
 6 おわりに


第2部 文化行動の発達的基盤
5章 文化と発達
 1 種としての人間の特性
 2 子どもの発達の源泉としての文化
  (1)伝統的な発達理論における文化の扱い
  (2)発達への文化のかかわり−理解の枠組み
 3 文化のなかでの発達の基盤
 (1) 間主観性の発達
 (2) 生物学的制約
 4 おわりに

6章 文化と教育
 1 学校−マイクロとマクロが出会う場
  (1)学校儀礼−日米比較
  (2)文化的意味の交錯状況をとらえるための枠組み
  (3)学校教育の社会的編成と教員
 2 文化的マイノリティーと学校文化
  (1)日本語教育を必要とする児童・生徒の実態
  (2)教育プロセスに埋め込まれている文化
  (3)学校教育・言語・アイデンティティ
 3 教育実践とこころの習慣
   −論理展開のスタイルと動機づけを中心に
  (1)論理展開スタイルの日米差と学校教育
  (2)動機づけの社会的文脈
  (3)状況的学習論−新しい学習観

7章 文化とジェンダー
 1 「ジェンダー」という概念とそれが意味するもの
   −変容可能な文化的性・性別
 2 「性役割」という概念とそれが意味するもの
   −通文化的普遍性
  (1)近年の異文化比較研究による「性役割」
    概念への反証
  (2)同一文化圏での年代比較研究による
    「性役割」概念への反証
 3 「セックス」という概念とそれが意味するもの
   −生物学的・生殖的性・性別
 4 生物学的・生殖的性・性差は絶対か?
  (1)生殖的性における絶対的二型性への疑問
  (2)「性同一性障害」は病理か?
 5 性別規範を主体的に問うことの重要性
 6 自己の生物学的性を主体的に引き受けることの重要性
 7 宿命としての性から主体的に選びとる性へ

8章 文化と高齢化
 1 超高齢社会の到来
 2 高齢化について
  (1)エイジング
  (2)エイジズム
  (3)ジェロントロジーの成立
 3 老いを生きる
  (1)何が問題か
  (2)高齢者の生きがい
  (3)高齢者の働きがい
 4 超高齢社会に向き合う
  (1)排除される高齢者
  (2)地域社会との連携
  (3)超高齢社会のデザイン
 5 高齢者の活用
  (1)活用のための前提
  (2)個人差
  (3)高齢者の就労
 6 結論
  (1)政策論議の限界
  (2)世代間格差の相対化
  (3)社会心理学の立場

9章 文化と死−末期医療の視点から−
 1 現代日本人の死の問題点
  (1)家庭死から病院死へ
  (2)交わりの死から孤独な死へ
  (3)情緒的な死から科学的な死へ
  (4)現実の死から劇化された死へ
 2 病院死の問題点
  (1)やりすぎの医療
  (2)苦しい死
  (3)精神的ケアの不足
  (4)個性が重んじられない
 3 ターミナルケア
  (1)ターミナルケアのすすめ方
  (2)病人の理解のしかた・こころの読み方
  (3)末期医療におけるコミュニケーションのもち方
  (4)精神的ケア
  (5)末期患者の心理プロセス
  (6)ターミナルケアとコミュニケーション


第3部 文化行動の制度的基盤

10章 文化と食行動
 1 食行動に及ぼす文化の力
  (1)夏美さんの夕食
  (2)文化と食行動
 2 生物・個体・文化
  (1)食物選択の生物的基礎
  (2)学習
  (3)文化と料理
  (4)食行動と文化心理学
 3 食物に対する態度,感情−最近の研究(国際比較)

11章 政治と文化
 1 政治研究と社会心理学
  (1)政治的態度,媒介変数の研究
  (2)政治的そして非政治的媒介変数
  (3)政治的態度の研究から政治文化研究へ
 2 時代と政治−ニューポリティックスの時代
 3 社会と政治−CNEP国際比較調査より

12章 文化と法
 1 はじめに
 2 川島武宜の「日本人の法意識」論
 3 「法意識」の経験的研究
 4 法文化論の構想
 5 「法文化」の社会的構築
 6 むすび

13章 文化と宗教
 1 宗教心理学の定義と歴史
  (1)宗教心理学の定義
  (2)宗教心理学の隆盛と衰退,そして復興
 2 現代心理学における宗教研究
  (1)宗教的志向性の研究
  (2)宗教の社会心理学的研究
 3 日本人の宗教
  (1)日本人の宗教的態度の構造
  (2)宗教行動
  (3)煽りの宗教と鎮めの宗教
 4 宗教の比較文化的研究に留意すべきこと

14章 文化と共生
 1 はじめに
 2 葛藤とその解消方法
 3 攻撃の定義
 4 攻撃についての理論
 5 共生についての研究
  (1)平和的共存社会の文化と社会化の特徴
  (2)イヌイットの葛藤管理方法と社会化の特徴
  (3)ザポテック農民の文化と社会化の特徴
 6 人類の共生へ向けて

15章 文化とカウンセリング
 1 文化の今日的状況−知の2つの側面
  (1)主観性と客観性
  (2)自立と依存
  (3)形式と内容
 2 いわゆるカウンセリングマインドについて
  (1)カウンセリングの必然性
  (2)カウンセラーの資格
  (3)日常的人間関係
 3 カウンセリングの独自性
  (1)親との違い
  (2)先生との違い
  (3)ケースワーカーとの違い
  (4)医師との違い

本書の解説(あとがきにかえて)
 1 専門的言説の集大成
 2 各章の見どころと今後の課題
 3 おわりに